『海岸通り』坂崎かおる著。とガストの目玉焼きモーニング542円♡
老人ホームで清掃の仕事をしている
主人公の女性、久住さん。
その久住さんの日常の風景が、感情の
こもらない語り口で淡々と続きます。
そこには、高齢者介護問題、
外国人労働者の現実が書かれてありますが
淡々と書かれていることが
かえって私には生々しく感じました。
題名の「海岸通り」を爽やかな
イメージと勝手に😅想像して借りた本は
見事に程遠かったです。
主人公久住さんの優しいのに偏屈?
とも思える性格、いったいどこからきたのか、
何に影響されてきたのか、生い立ちや
背景が読み取れるくだりが無いので、
単純にモヤモヤして終わりました。
題名の『海岸通り』は、
永遠にバスが来ないバス停留所です。
老人ホーム玄関前のダミーのバス停名でした。
老人ホームには、そういうバス停が
実際にあるらしいということは
以前聞いたことがあります。
「家に帰りたい」と言い出す老人に、
諦めてもらうために永遠に来ないバス停で、
スタッフが一緒に座ってバスを待ち、
「バスが来ませんね、一旦部屋に戻りましょうか」と、
促して部屋に戻すのだそう…
切ないです😔
いつもバスを待つお婆さんは、金銭的な
問題で老人ホームには居られなくなり、
望まれない息子夫婦の家に引っ越します…
たとえまだらになった意識であっても、
お婆さんにとって
抗えない現実かと思うと苦しいだけでした😢
安い労働力で介護職員として雇用されている
外国人が起こす問題も、その人は
決して極悪人では無く、だからといって
善人でも無かったという、どこかでありそうな
リアリティ感に複雑な気持ちになりました。
長い人生のほんのいっとき、
お互いが登場人物になったメンバーが、
それぞれの理由でひっそりと離れていく
さめざめと泣けてくる切ない物語でした。
これはこれで日本映画にありそう。
私は絶対に見ないけど、世間では
なにがしかの “賞” を取るような
重めジャンルの日本映画の原作を
思わせました。
内容を知っていたら借りない本ですが、
私は内容を知らないまま図書館で
借りるスタイルなので
面白くも、怖くも、悲しくも、
いろんな感情で刺激を貰えるのは
少しは認知症予防になりますか^^