popohaumomの日記

⭐︎60代女子⭐︎なんてことない日々の備忘録

朝活読書『やさしい猫』 中島京子著: 自分の職務へのプライド。

「やさしい猫」中島京子 著と、朝マックのコンビ『ソーセージエッグマフィン』とコーヒー♡

f:id:popohaumom:20241206200130j:image
f:id:popohaumom:20241206200127j:image

題名と表紙のデザインで、

ほっこり系かと思いながら読み進めたら、

ストーリーは重かったです😅

この本を読んだら、以前ニュースで

繰り返し流れていた、

スリランカ出身の若い女性が

入管施設で十分な治療を受けられずに死亡し、

日本に来たお母さんが泣かれていた

切ない報道を思い出しました😢

この本は、たまたまだとは思いますが、

主人公母娘の家族になったお父さんが

スリランカ人。オーバーステイで

入管に1年くらい拘束されてしまいます。


この本を読むまで、日本の入管制度や、

今の課題を知りませんでした。とても

分かりやすい文章で書かれています。


この本で書かれている入管の対応と

報道されていたスリランカ女性が

「治療を受けられなかった。」の

状況を重ねると、本当に今のこの日本で

そんなことが常態化しているの?と

想像したら大変恐ろしくショックでした😨


在留資格、移民政策、難民、

技能実習生の失踪など、

日本が抱える課題は大きく多いと思いますが

民間レベルでの外国人観光客増加でさえ、

ローソン富士山問題、

京都地元民バス乗れない問題と

連日外国人の対応に頭を痛めています。


この本は優しい語り口ですが、

相当入管を悪役にしている気がしました。

本にもセリフとして書かれていましたが、

入管の職員の方々は、

「実際にはマフィアもいる」と言うように、

毎日何人もの不法滞在者と対峙するのは、

毎日が気の抜けない

ストレス過多な職務のように感じました。

逆恨みもあるでしょう。

家族のことも心配でしょう。

実際、理不尽な職員もいるかも知れません。

良い外国人、悪い外国人、

良い日本人、悪い日本人、

どこでも同じですから。


それでも、職員の方は、

日本を守る、というプライドを持って、

自身の資質以上の

厳しい対応をしているかも知れません。

でも、曖昧な日本人と言われている中、

その毅然とした厳しい対応によって

日本の秩序が最小限守られているのでは

と想像しました。

ただ、厳しい対応が、いつしか変化していき

人権侵害になってしまっていたら

それは絶対ダメで許されないと思っています。


この本のストーリーを、

難題を乗り越え外国人との結婚までの

サクセスストーリーとしてだけ読めば、

優しいトーンのハッピーエンドなのですが…

 

柔らかく優しい文章の中は、

かなり非情な現実が描かれています。

ハヤトくんのような、

日本で生まれて

日本しか知らない子どもたちのことです。


そんな感じで、私にはこの本は

単純に感動出来る本ではありませんでした。

そして、

1回この本を読んだ程度の

生半可な知識で感想を語るべきでは無い

重く根深い内容だと感じました。


誰もが自分がやるべき職務を

真摯に向き合って

全うしているつもりでいると思います。

でも、途中から

道がそれてしまっていることに

自分で気づいたら、

もしくは誰かに指摘してもらえたら

迷わずに引き返して、

そこからまた直ぐに歩き出せる

自分でいたいと思います。

それが私のちっさいプライドです^^