【あらすじ】
「私の人生の主は私。何ものにも、簡単に委ねてやるもんか」20世紀初頭にアメリカで創業し、世界中から愛されるアニメーション会社となったスタジオ・ウォレス社。1937年、レベッカは類稀な画力でウォレス社に入社を認められたものの男性ばかりの社内で実力を評価されない日々が続く。それでも仲間と協力し作品創りに励むが、第2次大戦の影が忍び寄ってくる……。時を隔てた現在、ウォレス日本支社で働く契約社員の真琴は、偶然見つけたデザイン画から、素晴らしい才能を持ちながら歴史から忘れ去られた「彼女」たちの人生を知る――。
読み始めに思ったのが「スタジオ・ウォレス社」を「ウォルトディズニー社」と読み替えるとスーっと入り込めたことw
物語りの全体像は
1937年にウォレス社で働く
最初の女性アニメーターとなったレベッカと
現代のウォレス社の
日本支社で契約社員として勤務する真琴
異なる時代を生きる女性二人の
視点を通じて語られています
1937年という時代の
女性アニメーターたちの立場と働き方と
現代の女性達の職場環境で抱える不安定さが
交互に対比的に描かれていました
過去も現代も
仕事やアニメーション制作の描写には
とてもリアルを感じ
ディズニーファンとしては
大変興味深く勉強にもなりました
どちらも好きな仕事への情熱は
充実以上のものを感じ
そんな窮屈な環境の中でも
強く生きるしなやかさには、同じ女子として
リスペクトしかありません♡
仕事や仲間に対する葛藤や友情など
人間味を強く感じる心情描写には
共感出来る部分もたくさんありました
私の職場の後輩女子で、就職氷河期世代に
正社員で1社も内定が貰えず
派遣でしか就職が出来なかったと
以前、私に語っていた言葉と同じ心情が
「どれだけ身を削って頑張っても、同じ職場の仲間だと認められることは決してない。お互い様、持ちつ持たれつ、支え合い。そんな世間が囁く美辞麗句は、正社員たちとの間には、始めから存在していなかった。
私はこの立場を、働き方を、選んでなんかいないよ!何も選べなかったんだよ!」
と…
女性が働き続けることの窮屈さは
時代が違っても
似たように存在し続けるんだ、と
思ってしまいました(T ^ T)
そう考えると
性差がない時代がくるのか疑問ですね…
生きていれば、いろんな場面で
区別は必要だと思いますが
差別ではない判断が普通の時代を
待ち望みます
未来の大人たちのために^^