星乃珈琲のパンケーキモーニング♡ やっぱり私は外側カリ中がフワッのパンケーキが好き♡
ほっとします。
『星を掬う』町田そのこ 著
装画:金子幸代さんという方
優しく綺麗で儚い絵だと感じます。
登場人物のそれぞれが、母親として、子として、人としてのあり方が描かれ
痛まし過ぎる暴力の描写に、読み進めるのが苦しくなり、
それでも思ったのが、限りなく切なく、優しいのに激しい物語だという感想でした。
心に刺さる言葉が信じられないくらい次々と溢れてくる世界でした。
子供を捨てた母が、娘に謝らない理由がこの言葉にあったんです
「加害者が救われようとしちゃいけないよ。自分の勝手で詫びるなんて、もってのほかだ。被害者に求められてもいないのに赦しを乞うのは、暴力でしかない」
認知症が進み、下の世話を受けるようになっても、一緒に寄り添いたいという娘たちに対し、母が言った突き放してるかのようにも聞こえる言葉
「自分の手でやることを美徳だと思うな。寄り添い合うのを当然だと思うな。人にはそれぞれ人生がある。母だろうが親だろうが、子どもだろうが、侵しちゃいけないところがあるんだ。」
「鎖でがんじがらめになって、 泥沼でみんなで抱き合いながら沈むのが家族だって言うの?尊厳も何もかも剥ぎとって、子どもたちに死ぬまでぶら下がるのが親だっていうの?私はそんなの、認めたくない」
便を漏らしてしまった母、正気の部分も幾分残っているのが哀しすぎて、
しゃがんでかたづけている娘が呆然としている母を見上げると、母の目から涙がながれていた。
「ねえお願い。捨てて。私があんたを捨てるんじゃないの。あんたが私を捨ててよ
お願い、捨てて。こんな…こんな姿を晒したくないの。娘に」
痛い…心が痛くなりました…
認知症というのが壮絶なものであることを強く感じさせられました。
『星を掬う』という儚くて優しいタイトルは…
「認知症というのは、記憶や感情を自身の奥底にある海に沈める病気だ。今の母は何をどれだけ掬い取れるかわからない。ならばせめて掬い取れるものが美しく輝きを放つものであればいい。悲しみや苦しみ、そんなものは何もかも手放して忘れてしまって構わない」
物語中の全ての言葉が沁みてきます…泣けて泣けて…
親子であれ他人であれ、同じ時間を共有しても、残る記憶は同じだとは限らない
思い出すのはむしろ残酷なものかも知れない
だから、救い取れるものがキラキラと輝く星であって欲しい。そう思いたい。
私は認知症になる前に終わりたい、眠りながら終わりたい…
この物語は、この先の私の人生に必要な一冊だと思いました。
図書館で借りたこの本は返却しますが、この後購入して、手元に置きたいと思います…