『耳に棲むもの』小川洋子 著と、ガストの目玉焼きモーニング561円
補聴器のセールスマンであった主人公
亡くなってから少年時代までが綴られた
「耳」にまつわる5つの連作短編集でした
孤独感と不安感が、常に
主人公にまとわりついているのを
読んでる間中
自分がパラレルワールドの中で
俯瞰して見てる錯覚に陥り
怖くなる瞬間を覚えます😱
主人公は一見物静かな人に見えるのに
ある側面では大胆であったり
残酷でもありました
装丁の美しさと、文章もとても美しくて
何か美術を鑑賞しているかのようで
とても味わい深い作品だと思います
グロテスクな表現があるかと思えば
ファンタジーとリアルが
おりまざっているようで
静かで生々しくて
優しいけどゾクっとするし
それでも何か心にじんわり沁みるような
とても不思議な世界観でした
1章の最初は、主人公の最期は
普通の幸せの中で
生涯を閉じたように思えたのに
1章ごとに
孤独感をずっと抱えて最期を迎えた人
と、思えて寂しさが伝染しました😢
耳にまつわるお話しなのですが
作者が読み手に何を伝えたいのかは
私には難しく感じました
私の単純な感想なら
主人公は家族がいながらも、実は
孤独を隠し続けて生きてきた哀しい生涯だった
人の真実は
誰にも見えないし、自分でも分からないまま
最期を迎える
と、いうように読みました
私が最期を迎えたとき
どんな光景の中の最期であっても
母は幸せだった、と
子供には思ってもらいたいです^^