popohaumomの日記

⭐︎60代女子⭐︎なんてことない日々の備忘録

朝活読書『耳に棲むもの』小川洋子 著: 誰かにとってのその人の顔

『耳に棲むもの』小川洋子 著と、ガストの目玉焼きモーニング561円

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補聴器のセールスマンであった主人公

亡くなってから少年時代までが綴られた

「耳」にまつわる5つの連作短編集でした


孤独感と不安感が、常に

主人公にまとわりついているのを

読んでる間中

自分がパラレルワールドの中で

俯瞰して見てる錯覚に陥り

怖くなる瞬間を覚えます😱


主人公は一見物静かな人に見えるのに

ある側面では大胆であったり

残酷でもありました


装丁の美しさと、文章もとても美しくて

何か美術を鑑賞しているかのようで

とても味わい深い作品だと思います


グロテスクな表現があるかと思えば

ファンタジーとリアルが

おりまざっているようで

静かで生々しくて

優しいけどゾクっとするし

それでも何か心にじんわり沁みるような

とても不思議な世界観でした


1章の最初は、主人公の最期は

普通の幸せの中で

生涯を閉じたように思えたのに


1章ごとに

孤独感をずっと抱えて最期を迎えた人

と、思えて寂しさが伝染しました😢


耳にまつわるお話しなのですが

作者が読み手に何を伝えたいのかは

私には難しく感じました


私の単純な感想なら

主人公は家族がいながらも、実は

孤独を隠し続けて生きてきた哀しい生涯だった

人の真実は

誰にも見えないし、自分でも分からないまま

最期を迎える

と、いうように読みました


私が最期を迎えたとき 

どんな光景の中の最期であっても

母は幸せだった、と

子供には思ってもらいたいです^^