『ブルーマリッジ』カツセマサヒコ 著とガストの目玉焼きモーニング561円 ♡
同じ職場の2人の男性の物語りが
交互に時折交錯しながら描かれていました
ひとりは人事課で働く雨宮守
長くお付き合いをしてきた恋人の翠に
プロポーズをして婚約します
この雨宮守は、読み始め
何の問題もなさそうに見えました
しかしながら
過去に「無自覚の加害」をしていたと
婚約者の翠に突きつけられて
強いショックを受けます
もう1人は営業部の土方剛
娘の結婚式直後に
妻から離婚を言い渡されます
妻を長い間、奴隷のように扱ってきて
会社ではパワハラとモラハラ三昧
誰から見ても典型的なハラスメントで
明らかに加害者であるのに
自身は被害者だと心底思い込んでいる姿は
もはや哀れにしか見えませんでした
仕事の部分については
社内におけるパワハラの対応が
凄く勉強になりました
ただ、
パワハラを繰り返している土方が
まったく自覚がないことには
心から驚きました…
この本はスラスラと読み進められる
とても読みやすい文章というのと同時に
いっき読みせずにはいられなくなるような
臨場感を覚えました
この本を読むと
私自身も無自覚の加害者だと感じ
辛く苦しくもなりました
文中で人事部長が語る言葉に
「1人で抱えるにはあまりにも大きすぎる罪の意識については、時折誰かと共有しながら日々戒めて暮らす。そんなふうに生きられるなら、まだ希望があるんじゃないかと僕は思いましたよ
誰かに自分の気持ちを話すことで、気持ちも少しは楽になるし、新たな加害に加担せずに生きられるんじゃないかと僕は思います」
とありましたが
こんな人事部長なら社員は恵まれています
そして、こんなに慈悲深い言葉を貰えても
無自覚が自覚に変わった瞬間から
その先の生きる時間は
何をしても、何を話しても、何を見ても
笑ってても、必ずふと
加害者である自分に苦しむ自分と
向かい合わせになっている
言葉を発することが出来るというのは
楽しくて怖いと感じました
やっぱり「口は災いの元」なんですね
私の残りの時間
言葉を発するときには
今まで以上に気をつけます^^