『グリフィスの傷』 千早茜著とガストの目玉焼きモーニング561円♡
身体の傷、心の傷、「傷」をめぐる短篇集
10編のストーリーでしたが
誰もが、どれかの「傷」に
当てはまるのではないかと思うくらい
様々な「傷」が描かれていました
他者からつけられた傷
自分でつけた傷
傷ついたことに無自覚な傷
傷つけたことに無自覚な傷
誰もが多かれ少なかれ
「傷」という存在と共に生きていると
考えさせられました
この本は、多様であり激しく繊細であり
心のゆらぎや、うつろい、やるせなさ
心の奥底に仕舞い込んで
無かったものにしていた傷が
この小説によってチリチリと疼くようでした
短編というのと、文章の読みやすさで
さくさく読めましたが
内容はどれもかなり濃厚で
苦しいと感じる場面も多かったです
「傷」は「癒える」ことがない
「癒えた」というのは
何をもっていうのかと、つくづく
「傷」には重さと深みがあると…
無自覚で誰かに与えてしまった「傷」は
一生許されないものとして、それを
抱いたまま生き続けなければならない、と
思います…
自分が受けた「傷」は、掘り下げることで
さらなる「傷」をつけるような気がするので
箱に入れて心の深い深い奥底にしまい
無かったものとして生きることが
私の場合は、私自身を生かしてくれたように
思っています
人は人として生きている限り
誰もが何かしらの加害者であり
被害者でもあるような
そんな気がします
難しいことは考えたくないですが^^