『愛ちゃんのモテる人生』宇井彩野 著とガストの目玉焼きモーニング561円♡
「愛ちゃんのモテる人生」と
愛ちゃんの隣に住む5歳歳下の
太良(たろう)くん
ニックネームがタロちゃんの
「太良の法学ノート」の2つの物語りでした。
主人公の愛ちゃんは、
女の子っぽい装いが好きで
自身の性自認は男性
生物学的にも男性で
恋愛対象が男性
動画のインフルエンサーとして
自分の生き方をオープンにしています。
そんな愛ちゃんの、15歳から27歳までが
物語りとして進行していきます。
性差別の無いお母さんのもとで
好きなファッションを楽しみ、
恋をしたり、仲間と遊んだり
偏見の目で見られ嫌な思いをすることも
多くありながら、辛く傷ついた時には
自分の気持ちや違和感と
向き合う聡明さを持っていて
それをちゃんと言葉にできる愛ちゃん
なんて強い人なんだろうと
こんな人いるのかな、
いて欲しいな、と、思いました。
隣りに住む幼馴染のタロちゃんは
お父さんからのネグレクトを受けていますが
愛ちゃんと愛ちゃんのお母さんに
居場所を貰えて家族のように育ちます。
題名の「愛ちゃんのモテる人生」と
装丁画を見たときは、
明るい雰囲気の作品だと思って読み始め
読み進めてみると
まさに今の社会の問題点がてんこ盛りでした。
同性婚やLGBTQなど、世の中が
まだまだ追いついていない現状も
法律の解釈とともに盛り込まれ
私には難しい内容も丁寧に書かれていて
とても深く考えてしまいました。
性的マイノリティを自覚する人が
愛ちゃんのように自分に正直に生きるには
どれだけ世の中と戦わなくてはならないかを
思うと苦しくもなりました。
この小説は、これから大人になる中高生に
ぜひ読んで貰いたいです。
そして現実社会でもこの小説のように
自分とは違うことを理解し助けることが
息をするように自然な世の中になること
そんな世の中を作れる若者たちが
今そこにいると信じたいです。
生きることに性別は関係なく
自分らしさを大切にすることの尊さと
相手を想うことの本質的な優しさ
“大切なことは何か”が、溢れる物語りに
最後は涙涙でした。
登場人物の学生達がみな爽やかで前向き
それぞれの苦労や幸せも
みんな違う…
と思ったときに思い出しました
金子みすゞの詩。
「みんなちがって、みんないい」
自分に語りかける
「あなたはあなたでいい」
そうなんですよね^^