『ヨルノヒカリ』 畑野智美著とガストの目玉焼きモーニング542円♡
よくある“普通”の家庭生活を
おくってこれなかった光くんは、
普段は温厚なのに何かのきっかけで
暴力的になってしまう
自分の一面に悩んでいる。
アロマンティックアセクシャルらしい
木綿子さんは、家庭を持ちたい
子供が欲しいと思いながらも、
恋愛感情が分からない自分が
誰かと家庭を持つことは出来ないし、
持ってはいけないと考える。
この2人の関係性から
“幸せ”の多様性を考えさせられる
ストーリーでした。
周囲の人がみんな凄く良い人ばかりで、
優しい気持ちが伝染してきます。
2人の感情が
繊細過ぎるくらい丁寧に描かれていて、
それを噛みしめながら読むと
相手を誰よりも大切に想う気持ち以上に
大切なこと必要なことなんて
ないんじゃないかなと思えました。
恋や愛というカテゴリーに
当てはめる必要は無いんだと。
世の中は多様性という言葉が氾濫していて
だけど、それを本当に認識して
理解しているかというと
ましてやちゃんと受け入れているのか、
と考えてみると
自信を持って“はい”と言い切れる人が
どれくらいいるのかな。と
思ってしまいました。
“多様性” が当たり前になれば、その言葉も
いずれ死語になるのかも知れません。
光くんと木綿子さんの時間が
いつも静かでそして温かいんです。
その時間が2人の“普通”の
幸せなんじゃないかなと思えました。
木綿子さんがお店をきりもりし、
光くんが美味しそうなご飯を作っている。
その描写には、すぐそばで見ているような
ヘンな錯覚?を覚え
優し過ぎて涙が滲みました。
生きていれば自分とは違うことに
理解が出来ない場面は何度も訪れます。
今までもありましたし
これからもあると思います。
理解は出来なくても
それを否定したりするような
傲慢であってはいけない
“そういうこともあるのか” と
なんの気なく受け入れられる
柔軟な自分でいたいです^^